IWD 2021

国際女性デー

2021年3月8日

#ChooseToChallenge #IWD2021
#ChooseToChallenge #IWD2021
名前: 光井亞希
会社: JAL
職業: 副操縦士

かつて日本で「キャリアウーマン」といえば「OL」や「デパートの店員・管理職」、あるいは「大企業の中間管理職」を意味していたかもしれません。2021年現在、女性の活躍の機会は増え、女性オーナーや経営者、CEO、ジャーナリスト、ライター、編集者をはじめより多くの分野で活躍されています。一方で東京から沖縄に向かう飛行機で、その飛行機を操縦するパイロットが女性であると想像したことはありますか?おそらくないでしょう。推定では、世界のパイロットのうち女性は5%しかいないと言われています。ワン・ヤング・ワールド・ジャパンの理事、ダレン・アフシャーが、JALの女性パイロットの一人である光井亞希さんに、ご自身の経験についてお話しを伺いました。

DAREN

ますは分かりやすい質問から。パイロットになることは小さい頃からの夢でしたか?

AKI

実はそうではないんです。私が就職活動をしている時に、JALに勤めている知り合いから、JALの自社養成パイロットとして女性が入社したというのを聞きました。女性にもそういう選択肢があることを知り、これは新しいことに挑戦してみるチャンスだと思ったのがきっかけでした。

DAREN

そうだったんですね!てっきり「トップ・ガン」のトム・クルーズとか、映画の「SULLY」を見て憧れを持ったなどとおっしゃるのかと思っていました。

AKI

(笑) トム・クルーズさん、トム・ハンクスさん、ごめんなさい!お二人とも大好きですが、私にきっかけをくれたのは友人でした。

DAREN

それでは訓練中に時を戻しましょう。パイロットまでの道のりにはどんな困難がありましたか?それをどのように乗り越えられたのですか?

AKI

私にとって一番の難関はアメリカ生活でした。私が訓練でアメリカに行った時はちょうど女性の先輩も日本に帰国されていて、女性は私ただ一人という環境でした。同期は全員男性なので二人一部屋で共同生活をしていたのですが、私は一人部屋だったので、最初のアメリカの生活に慣れるまで部屋で一人でいろいろなことを進めなければならず、訓練以上に寂しい思いをしましたね。

その時にどうやって乗り越えられたかを思い返してみたのですが、やはり応援してくれる友人の存在だったのかなと思います。アメリカに行く前、私は6年ほど成田空港で勤務していたのですが、その頃お世話になった部署の方々皆様が最後に「頑張ってね!」と成田からお見送りをしてくれました。そのシーンを思い出すと、「こんなところでめげて帰れない」、「頑張らないと!」と思うことができました。

DAREN

ご友人の応援もあって、たくさん努力されて見事にパイロットになられたんですね。初フライトはどんなフライトでしたか?

AKI

初フライトは羽田から北九州を往復して名古屋に入るスケジュールでした。天気は良くて初フライト日和。その便には、名古屋在住の女性の先輩が乗ってくださったのですが、先輩は朝一の羽田―北九州便に乗るためにわざわざ名古屋から出てきてくださっただけでなく、「名古屋に行くんだったら私も一緒に名古屋に帰る」とおっしゃり結局その日の3便全てに乗ってくださったんです。とてもいい思い出です。

DAREN

「女性の先輩」とおっしゃいましたね、私は女性をサポートする女性を強く応援しています。JALでは女性同士がお互いにサポートし合っている印象を受けるのですがいかがですか?

AKI

そうですね。私の上に女性パイロットの先輩方が何名かいらっしゃいます。その先輩方は、私以上に他に女性がいない中で困難を乗り越えながらパイロットになり、それぞれ創意工夫されてきたことを私たちに共有し助けてくださいます。
実際お話ししてみると、皆さん芯がありながら、これまでの苦労を感じさせないような明るさがあってあっけらかんとされているんですよね。すごい先輩方だなと思います。中には出産され、子育てをしながらキャプテン昇格の訓練をされていたり、キャプテンで訓練教官をされている方もいらっしゃいます。そういう意味ではJALでは女性にも様々な可能性が用意されています。そんな流れに乗って、私も後輩たちに何かしらの道を示せたらなと思っています。

DAREN

先輩の女性パイロットからも学び、現在は一人前のパイロットとしてフライトされているわけですが、まだまだ課題やチャレンジだと感じることはありますか?

AKI

もちろんです。最初の6か月はフライトに耐えられる体力づくりと準備時間の割り振りなどルーティーンを作ることが難しく、それらをうまくコントロールすることがチャレンジでした。今は毎便毎便がチャレンジです。「昨日よりは今日、今日よりは明日」、もっと上手くフライトできるよう日々努力しています。

DAREN

今年7月にミュンヘンで開催される「ワン・ヤング・ワールド サミット 2021」へのフライトに、亞希さんが同僚の女性と飛行機を操縦されていらっしゃる可能性は?

AKI

私は小型機の737を操縦しているので海外に行く機会は多くないのですが、それができたら間違いなく楽しいですね!

DAREN

亞希さんは僕にとっても、またパイロットを目指す女性にとっても大きな希望です。これを機に、日本、そして世界でも女性パイロットが増えるといいですね!引き続きのご活躍をお祈りしております!

AKI

ありがとうございます!頑張ります!

光井 亞希
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