IWD 2021

国際女性デー

2021年3月8日

#ChooseToChallenge #IWD2021
#ChooseToChallenge #IWD2021
名前: 櫻井彩乃
プロジェクト: https://u30equal.com
職業: アクティビスト

ワン・ヤング・ワールド・ジャパンの新理事である長森ルイが、”男女共同参画ってなんですかプロジェクト”代表の桜井彩乃さんにお話を伺いました。

RUI

現在取り組まれている「男女共同参画ってなんですかプロジェクト」を始められたきっかけについて教えてください。

AYANO

もともと地元で、大学の頃、地元自治体で男女平等推進委員として地元のジェンダー平等の計画をつくっていました。

その当時も大学生だったのは私ひとりで、他のメンバーはほとんど40代以上の専門家、地域の方ばかりでしたが、私の意見もとても聞いてもらえていたんです。自治体レベルではこのようにユースの意見を掬い上げてもらっているのに、なぜもっと重要な国レベルではできないんだろう?ということが疑問でした。

ちょうどそのころ第五次男女共同参画基本計画策定に関する意見が募集開始される時期で、学生時代からお付き合いのあった公益財団法人ジョイセフから「ユースをもっとアクティブにしたいがなにかやってみないか?」と声をかけていただいたこともあり、ごく自然にはじまりました。

この第五次男女共同参画基本計画というのは今から先の5年間にかかわることで、ここからの5年間というのは、特にユースにとっては将来を左右する重大な時期です。現状に不満を抱えていたり言いたいことがあるユースは実はたくさんいて、SNS等ではさんざん投稿したりしているのに、実際に声を届けるというアクションにできていないので、それならば自分がそのためのプロジェクトを推進しようと思いました。

RUI

「男女共同参画ってなんですかプロジェクト」のリーダーシップをとるようになる前と後とでは、ご自身で何か変わったと思われることはありますか?

AYANO

学生時代に団体の代表をしていたときは、自分一人で進めて自分一人で意思決定をする方が早いしやりやすい、と感じていましたが、他のメンバーとチームを組むことで、連帯の大切さとパワーを学んだと思います。

他のメンバーのモチベーションをどうやって保ったりさらに上げたりするかを常に考えたり、またこれまでは自分のプロジェクトに対して寄せられるネガティブな意見に対して深く考えることがなかったのですが、今では、なぜこの人たちはこういう意見を持っているのか?ということを多様に掘り下げて考えられるようになりました。また、このプロジェクトを進めるにあたって、前職時代に身に着けた「仕事の進め方」といったスキルも活かせていると思います。

RUI

すぐには結果が見えづらい活動を続けてこられる中で、やっていてよかった!と思う時はどんな時でしょうか?

AYANO

直接ポジティブな影響を与えることができたんだ、ということがわかるコメントをもらうととても嬉しいですね。たとえば、「内閣府のサイトがかわいくなった!」(#男女共同参画ってなんですかは非営利活動です)「意見送りやすかった!」「今まで男女共同参画って女性だけのものだと思っていたけど、男性や他のセクシャリティでも意見を送っていいんだと知れた」等です。

ギリギリまで署名を集めたので、あと〇時間以内に署名を提出の準備をしなければいけない!とか、2週間以内にウェブサイトを仕上げないといけない!など大変なことも多かったですが、こういう時は本当にやっていてよかったと思います。

「両親の影響は大きいですね…!両親が自営業をしていたこともあり、様々なことにチャレンジする背中を見ていてトライ&エラーのマインドセットがごく自然に身に着いたように思います。」

RUI

ジェンダー平等の問題にはいつ頃から関心を持っていましたか?

AYANO

もともとジェンダー問題に関心を持ったのは、高校2年生の時でした。

同級生に「お前は女の子なんだから可愛くしてればいいんだよ」と言われたのです。実は私は、そういった概念はすでに過去のものではないかと思っていたのですが、今でもそう言われる社会なんだ…ということにショックを受けました。

そこから、さらに厳しい状況におかれている途上国の女の子たちの現状について学ぶようになったのですが、彼女たちが「将来大統領になって国を変えたい」「女性器切除をなくしたい」などのパッションを持っているのに対し、同じ日本のユースが「男だから、女だから」という箱の中で生きることに悪い意味で慣れ過ぎてしまっているように思い、次第に国内のユースをアクティベートしたい、という方へと関心が写っていきました。

RUI

特にロールモデルとして尊敬している存在はいますか?

AYANO

幸いなことに、学生時代から日本の女性の権利獲得のために活動していた年上の女性達にとても可愛がってもらいました。NYの国連の会議にも連れて行ってもらいましたし、何度も励ましてもらいました。彼女たちの存在があったからこそ続けてこられたと思いますし、今でも強いコネクションで繋がっていて、常にポジティブで謙虚に学ぶ姿勢を絶やさず、情熱をもって自分を燃やし続けている彼女たちの姿を見習いたいなと思っています。

RUI

ジェンダー平等の問題はセンシティブであるだけに、ストレスも多いかと思いますがいかがでしょうか?

AYANO

こういった活動を続けていくうえで、最も重要なのは、自分自身の状態がポジティブで健康的であることだと思うんです。心身の状態がアンバランスだったりネガティブだったりすると、発信する内容もどんどん後ろ向きになっていきます。

今はむしろ情報過多の世界になりつつあるので、そういった時は思い切ってSNSやネットと距離を取ることも一つの方法だと考えています。特に私の取り組んでいるジェンダー問題は、そう一朝一夕に解決できるものではなく、これから先も長い戦いになってきます。だからこそ、自分のバランスをうまくとって、細く長く続けていける状態を保つことが大切です。

RUI

あやのさんのリフレッシュ方法を教えてください。

AYANO

リフレッシュ時間は、ハンドクラフトを楽しんでいます。手で造られるものが好きなので、各国の美しいタイルを集めたり、木のお皿を作ったり…。手の中でモノが作られていく過程に集中しているととてもリフレッシュできますね。

もともと「美しいもの」が大好きだったので、自分が美しいと思うものを眺めているととても気分が癒されますし、そういうものを見続けられていたらいいなと思います。自分でも、今まで美しいと思っていたものにときめきを感じなくなったらそれが自分の中でのアラートサインだと思っているので、そういう時には思い切ってリセットしなければと思っています。

RUI

なるほど…!そのようなリセット方法やマインドセットを持っていない人も多いのではないかと思いますが、あやのさんはどうやって自分自身のスタイルを身に着けられたのでしょうか?

AYANO

両親の影響は大きいですね…!両親が自営業をしていたこともあり、様々なことにチャレンジする背中を見ていてトライ&エラーのマインドセットがごく自然に身に着いたように思います。小さいころから自分で選択したことは自分できちんとやり切るように教えてもらいましたが、特に日本では、失敗していい、という文化が薄いのではないでしょうか。それこそ就職活動などでも顕著ですが、失敗したら人生終わり!という風潮が強いと思います。就職活動は人生のほんのはじまりに過ぎないにもかかわらず、です。失敗したらそこから学んでまたやり直せばいいだけのことではないでしょうか?

「みんな違ってみんないい」と教えられるけれど、学校に入ったとたんに「みんなと同じでないといけない」と言われてしまいます。そのことにも違和感を感じていました。もうすこしいい意味で他人に無関心…というか、自分と他の人が違うことは当たり前と思ってもいいのではないでしょうか?これが〇でこれは×!という既成概念を植え付けすぎられているように思い、正解以外にも答えはあるんだよ、ということは伝えてられたらと思っています。

RUI

最後に、あやのさんがこれから達成したい目標を教えてください。

AYANO

将来的には、ジェンダー問題解決に関心をもつユースを雇用できる場を作りたいと思っています。また、社会に対してモヤっとした思いを抱えているけれども声を上げられない子たち、何かがおかしいと思っているけれどそれを言語化できていない子たちも多いので、その悩みやモヤモヤを深堀りして、一緒にその人が感じている壁を崩していくお手伝いや伴走ができるようになりたいですね。

性別でネガティブに思う経験をしていたり、これは差別なのではないか?ということや、こういうことを言われたら傷つくのに普通に言われている社会への違和感に気づき始めている人は多いと思います。けれどほとんどの人がその違和感をまだ声に出して言えていないので、おかしいと思ったことはおかしいと言っていいんだよ、自分の思ったことを言っていいんだよ、と伝えていきたいです。自分の中で自分の気持ちを押し殺していたものを外に出せるように応援していきたい。また、ひとりひとりがそういった声を上げられるようになることで、ジェンダー平等へのスピード感が加速するのではないでしょうか。

櫻井 彩乃
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