IWD 2021

国際女性デー

2021年3月8日

#ChooseToChallenge #IWD2021
#ChooseToChallenge #IWD2021
名前: 岡 こずえ
NPO: みらいの森
職業: エグゼクティブ・ディレクター

NPO団体のリーダーとして活躍することは、若い人(あるいは年配であっても!)にはあまり思いつかないキャリアの選択かもしれません。しかし、岡こずえさんにとってはごく自然な流れのように感じられました。岡さんははじめはインターンとしてみらいの森に参加しましたが、常にチャレンジすることとと学びを忘れず、事務局長へと急成長を遂げます。現在はみらいの森の成長に尽力するとともに、将来的に社会に与えうるポジティブなインパクトを実現するため、さらに精力的な目標を掲げて組織のリーダーとして邁進中です。そんな岡こずえさんに、OYWJの紀ノ岡 トーバ理事がお話を伺いました。

TOVE

まずはご自身について聞かせていただけますでしょうか?出身地や、子どものころには何をしたかったか、将来何になりたいと思っていたかなど、主に小さい頃のことからぜひお話いただければと思います。

KOZUE

私は横浜で育ちまして、4人兄弟の末っ子でした。小さいころから外で遊ぶことが好きだったのですが、当時は特に自分が将来何をしたいかということについての具体的なイメージは持っていなかったと思います。でも、私の母が自閉症児を支援するNPOで働いていてよくお手伝いをさせてもらっていましたので、私自身もとてもやりがいがあって楽しかったですし、母が常に全力でやりがいのある仕事に取り組んでいるという姿も大変印象的で心に残りました。また、姉と弟が海外に留学していたので、様々な国の人たちと話をしている姿を見て、海外での生活に興味を持ちました。

TOVE

NPOの代表をつとめるというのは日本ではあまり一般的なキャリア選択ではないと思いますが、岡さん自身はもともとこういった職種をやりたいと思っていましたか?また、思っていなかった場合は、どのようにして現在の職に就かれることになったかのいきさつを聞かせてください。

KOZUE

私は大学では文系に進学し、学生時代にボランティアや研修旅行をしつつ自分のやりたいことを考えていましたが、当時から大企業で働く自分の姿は想像できませんでしたね。ある時北欧の野外教育について調査したことがあるのですが、これが私にとってはとても興味深く感じられ、また私自身が抱いていた海外留学への好奇心と一致していると思いました。私の大学にはストックホルム大学との交換留学プログラムがあったのでさっそくそれに参加し、自然がいかに子どもたちを育み、仲間や環境から学ぶことができるかを肌で感じるという経験をすることができました。交換留学から帰ってきてからは日本でもこのような活動ができたら…と思っていたこと、そしていわゆる典型的な就職活動はしたくないと思っていたことから、まずは、政府の環境教育機関で政策やガイドラインを作る仕事と、そして「未来の森」の元となった草の根のアウトドア教育会社「イングリッシュアドベンチャー」で2つのインターンシップを経験しました。このときの経験によって、野外での教育活動普及のための草の根活動こそが自分のやりたかったことなのだ、と確信することができたのです。そしてインターンシップ終了後、幸運にもイングリッシュアドベンチャーから内定をいただくことができました。みらいの森が独立したときにフルタイムで活動できるチャンスが来たので、プログラムマネージャーからスタートし、まずはキャンプディレクターからはじめ、ついでエグゼクティブディレクターへと急ピッチで昇格し、現在に至ります。

TOVE

今のお仕事をしていて一番やりがいを感じたり、楽しいと思うことはどんなことでしょうか?

KOZUE

チームリーダーを務めていたころは、直接子どもたちと交流することが私の中心的な役割でした。この仕事が与えうる本当のインパクト(つまり子どもたちがレジリエンスやリーダーシップといったソフトスキルを習得すること)は非常に長期的なものなので、すぐに結果がわかるものではありませんが、どちらかというとおとなしいタイプだった子がとてもよく話してくれるようになったり、内気なタイプだった子が心を開いて他の子どもたちと深く交流するようになったり…といった変化を目の当たりにできるのは何にも代えがたい素晴らしい体験でした。だんだんと組織内で昇格するにつれ直接子ども達と関わることが減ってしまいましたので、当初これを非常に寂しく感じていたのですが、結局のところ、実は子どもたちのためのより良いコミュニティを作るために、キャンプの参加者やボランティア、スポンサー、そしてチームリーダーなど関わる人々すべてをつないでいくことこそが私の重要な役割なのだ、ということに気づきました。今では、子ども達と直接関わるのとはまた違った意味で、このコミュニティ形成の役割に非常にやりがいを感じています。

TOVE

子ども達やケアホームスタッフ、スポンサー企業、役員やスタッフ等々、様々な人々とコミュニケーションをとり関係性を築いていく役目を担っていると思いますが、ご自身にとってこれは比較的自然に実現できる任務か、もしくは非常に努力して実現できる任務か、どのように感じられていますか?

KOZUE

努力しなければならないことは間違いなく、今でも日々勉強だと思っています。最初の頃は自分の英語力に不安を感じていたので、特にスポンサー企業へのメールを非常に丁寧かつフォーマルになるよう作成するのにかなりの時間を費やしていました。ある時「やぁこずえ!よかった。 今日お金を振り込んだよ!」という返事が返ってきて、ちょっとびっくりしたことも(笑)このように様々な異なるステークホルダーがいる中で、彼らとの強い信頼関係を築くためには、それぞれ異なる「コミュニケーションモード」を持つことが重要だと学びましたし、またそのための自分なりの解決方法を模索し身に着けてきました。

TOVE

コミュニケーション以外でも、自分の役割について最もやりがいを感じること/難しいと思うこと、そしてその対処法を教えてください。

KOZUE

なんといってもリーダーシップを発揮するということですね!エグゼクティブディレクターになる、ということが実際何を意味するのか、そして私に何を期待されているのか、任命された時には具体的にはわかっていなかったと思います。もともと担当していたプログラム自体について構想を練る業務が大好きでしたので、今後もそれに重きを置ければと思っていましたが、エグゼクティブディレクター就任後は、資金の調達や管理、理事会との円滑な連絡などの新しい重要任務も発生したため、優先順位をつけながら進めなければなりませんでした。今では、組織自体も進化しており成長し続けられるような体制が整ってきたため、私は俯瞰して全体図を把握し、メンバー全体がもれなく参画できているか見極められるようになりました。この役職ならではの重圧を感じていたころもありましたが、幸い理事会からの温かい補佐や指導をいただけたおかげで、今は本当にこの仕事にやりがいを感じ、ある意味満喫させてもらっているといえますね。

TOVE

これまでのリーダーとしての最大の学びは何でしたか?

KOZUE

やはり、全責任を負う、ということでしょうか。最初の頃は事業が小さかったので、自分一人ですべてを十分に対応できていると思っていました。しかしだんだんに組織が成長してくると、私一人ですべてを対応するのは限界があるのだ、ということに気づいたのです。時には助けを求めたり、他のメンバーにも一緒にやってもらったり、といったことも必要です。また、たとえどんな結果が出てくるか確信を持てないような時であっても、リスクをとって決断しなければならないことも学びました。それがリーダーとしての役割なのです。そして、今やっていることは何のためなのか、常に明確に語れるようになっていることも重要です。これが十分に理解されていないと、周りからの同意を得ることが難しくなり、自分自身が業務遂行過程において迷ってしまうことにもつながるからです。

TOVE

ご自身が目指されているリーダー像とはどのようなものでしょうか?

KOZUE

チーム全体を一体化させることができるリーダーですね。かといって、すべての中心にいるわけではないリーダーです。子どもたちが自信を持てるようになったり、助けを求められるようになったり…といった成長をするためには、まずは私自身がそのお手本となっている必要があります。私自身も奮闘している姿を見せることで、困難な状況に直面した際も乗り切れるようになるための、子ども達にとっての何よりの学びになれれば…と思っています。

TOVE

ロールモデルやインスピレーションを与えてくれる女性リーダーはいますか?

KOZUE

在日英国商工会議所の理事兼エグゼクティブ・ディレクター、ローリ・ヘンダーソンさんですね。私が悩んでいた時に、彼女が聴かせてくれた在日英国商工会議所の若き女性リーダーとしての経験談に学ぶところは大きく、また非常に心に訴えるものがありました。ローリさんはとても温かくて思いやりのある人ですが、同時にエネルギーにも溢れていてこれまでにもたくさんのことを成し得てきた人です。自分自身の生き方や信念を貫いてきた私の母もまた、私にとっての大切なロールモデルでもあります。

TOVE

2021年の国際女性デーのテーマは「#ChooseToChallenge」です。この日本で、ジェンダー不平等問題のどのような側面に特に挑戦したいと思いますか?

KOZUE

たとえばキャンプで「男の子はサバイバルスキルを、女の子はパン作りを学ぼう」といったような、教育活動における男女分離に挑戦したいと思っています。私たちのキャンプでは、プログラム内容もスタッフの役割も、いっさい男女分離はしていません。私が知っているケアホームの園長のほとんどは男性ですし、日本では男性が権威者であることに慣れている社会だと思いますので、もっと多くの組織がみらいの森のようにこの男女分離に挑戦してくれたら嬉しいですね。

TOVE

みらいの森の活動について、皆さんに特に知ってもらいたいことは何ですか?

KOZUE

なんといっても、まずは、ケアホームで育った子どもたちの存在をもっと多くの人に知ってもらいたいと思います。日本では非常にタブー視されていて、誰も話題にしませんし、社会的な汚名が残っています。このような子どもたちにも将来の夢があり、社会で果たすべき貴重な役割があるのです。どうかこのことを知ってもらえたら、と強く願っています。

岡 こずえ
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